オノゴロ島

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 HA23の舞台の一つ。東京湾に浮かぶ人工島。東京湾アクアライン海ほたるの西南西に位置する。
その設計と施工は『譲原家』とその関連組織によって行われた。
オノゴロ島は通称であり、正式名称は『東京湾特別行政区敷設予定人工島跡ごみ最終処分場予備地』。

略図

http://kataribe.jp/ha/28945.html

一般的な認識

一般の方法で知り得る情報。

『東京湾アイランド構想』の中核であり、外国人観光客向けの一大スポットとして空港や商業施設、宿泊施設などを集約した特別行政区となる予定であった。
 しかし『東京湾アイランド構想』は突如として中止され、建設されていた埋め立て地は『譲原家』の手を離れ政府の管轄となり、手付かずの空き地となった。当時を知る者の一部は『無闇な開発事業の典型的な敗北結果』として揶揄している。
遠目から見た島の様子は閑散としており、平らな全貌の上にまばらに建設途中の建物やクレーンなどが見て取れる。

東京湾から海を眺めれば必ずと言っていいほど目に入るはずなのに、奇妙なほど人々はオノゴロ島が何であるかを正確に知らず、政府の人間ですら担当するもの以外には認知度が低い。そのため僅かな真実と共に様々な噂が流布している。

特別国有地として一般人の接近や上陸は許可されておらず、常に海上保安庁の船舶によって監視されている。

超常と陰謀の島

非日常の側面から得られる情報。

 一般には明かされていないが、『東京湾アイランド構想』は戦後間もないころに官僚の一派閥から上がったものである。大量の外貨獲得を行うことを目的として考案したものであり、その核心は公営カジノの設立だった。つまりカジノが合法化されることが不可欠であり、日本においては絵に描いた餅でしかなかった。

しかし、70年代末期に『譲原家』がこの構想に着目したことで状況が変わる。
古くから不動産と建築業で富と権力を成し、行政のフィクサーとして君臨していた譲原家は、程なくしてその影響力をもって『カジノ特別行政区に関する法律』の可決を国のシナリオとして決定づけた。
カジノ派の官僚派閥はカジノの設立を叶えその利益を得ること、譲原家はその見返りとして将来に渡る莫大な建設利権の大部分を内々に獲得したのである。

西暦2000年。シナリオに合わせて、先発している幾つかの東京湾岸地区の再開発を隠れ蓑に人工島の建造が開始された。
しかし、2008年12月。当時の譲原家の当主が急逝したことから自体が一変する。
豪腕として知られた当主の逝去により譲原は内部分裂を起こし、フィクサーとしての影響力を大きく欠いてしまったのである。
このお家騒動が原因で『カジノ特別行政区に関する法律』は半ば頓挫し、計画の進行が事実上不可能となってしまう。連鎖的に関連する事業が相次ぎ破綻し、その負債を補填するため譲原家は建設利権を様々な組織に譲渡し切り売りすることとなってしまった。
そうして『東京湾アイランド構想』はまるでそもそも存在していなかったかのように人々の記憶から消え去った。

この時期にオノゴロ島は作業員が退去し完全な無人となり、契約交渉の混乱でその所有権すら曖昧な状態となる。しかしオノゴロ島は既に9割の施工を終え、誰もがその姿を確認できるものとして存在していた。オノゴロ島は本来の役割を果たせなくなり、行き場なく宙吊り状態で残ったのである。

そこから異変が発覚したのは2013年のことである。
島は不可解にも長らく誰の目にも止まらず放置され、この年にやっと政府の管轄として管理されることとなった。
しかし、その時には既に島はなんらかの超常的な力に包まれ、島内は空間が大幅に拡張された完全な他界となってしまっていたのだ。

島内の現状

-以下東京湾特異災害調査選抜隊脅威分析官下塚るりこによるレポートより抜粋-

島そのものが既知の魔術や技術と異なる不明な原理で外部からの認識を阻害する力場を放射しています。
その効力は力場に対する抵抗力を持たないすべての意識体に作用することが確認されています。
力場の効果により大衆のオノゴロ島へ対する認識は非常に希薄であり、図らずも島の隠蔽に寄与しています。
しかしながら日本国政府はこの力場だけでは島の完全な隠蔽と封鎖には不十分だと判断し、島外からもこの力場を補強する形で結界を施しています。

島の異常性は実際に上陸した場合にのみ現れます。
島外から見た場合、島の姿は変化が見られません。所々に建造途中で放棄された鉄筋構造やクレーンがあるのみで特筆するべきものはありません。
島に上陸した場合、そこには本来存在しないはずの地形や構造物が出現します。それらは海岸部付近だけで少なくとも2314ヶ所存在します。
島内ではユークリッド空間も大幅に拡張されており、その拡張比率は島の中心に向かうほど指数関数的に増大していきます。これはGPSと調査団が計測した移動距離との誤差で示されました。
現在島内に広がる敷地は少なくとも300k㎡以上拡張されていることが判明しており、調査団の見解ではそのさらに数十倍と示唆されています。

島内には独立した人類に限定されない都市国家規模の文明社会が複数確認されています。
それらの社会は部外者に友好的なものから排他的なものまで様々です。それらの勢力の大半は交易をおこない、見かけ上は互いに不可侵の姿勢を示しています。
海岸に近い領域では現代文明に近似した社会が存在します。これらは島の封じ込めを行う以前に島へ侵入した外部の個人または組織が構築したものと思われています。
島の中心部へ向かうほど文明体系は現実と乖離する傾向にあります。
現在確認されているもっとも島の中心部に近い位置にある集落では古代ケルトと唐王朝時代の中国が混合したような文化を持つ未知の種族によって構成されていました。

地理

現在公開されている場所のデータ。

空港

オノゴロ島南端部に存在する離れ小島。元空港建設予定地で、現在は政府の唯一の拠点。
後述するゲブラーゲートによってオノゴロ島本島と接続している。
島と直接繋がっていないためか、島の影響が最も少ない。

ゲブラーゲート

オノゴロ島と空港を繋ぐ架橋施設。
堅牢な防壁や武装などによって空港を護る砦。

南スラム街

オノゴロ島の南端部から徒歩で6時間ほど向かった場所にある人間の集落。
建設途中で放棄された高層ビルを中心に広がっている。 廃材と低質なコンクリートで作られた街。
コンクリートの王』と呼ばれる支配者が存在する。

各組織の島に対する認識

日本政府

政府は当初この異常の原因解明と解決を試みたが、島内に強力な怪異が多数確認されると、その脅威と国家の安全を鑑みそれらを刺激するような大規模な調査を断念する。以後はその封じ込めに徹し、島を一般社会から隔離し、島への進入も、島に存在するものが外へ流出することもないよう監視している。
極小数の調査員による調査は継続されているが、結果はあまり芳しくない。
オノゴロ島の南部に位置する本島と橋でつながった小島、通称『空港』に要塞を構えており、島の監視の拠点としている。

基本的にオノゴロ島に『侵入しようとするモノ』と『出ていこうとするモノ』を封じ込めることを目的としており、一般人が島に感心を向けることと島に住む怪異などの意識が島の外へ向くようなことが無いよう島に対する干渉を極力避けている。
その存在に関心を持つ者を見つけた場合は記憶処理を施すなど島の隠蔽に徹している。
島の何らかの存在と接触する時は、それが政府に対して明確な悪意を持つ場合と島から出ようとする兆候を察した時であり、同時に排除すべきものとみなした時である。
島内を調査するエージェントは例外的に島の『住人』と接触する。身分を隠し潜入し、島の調査や侵入・脱走を図るものを密かに捜索・拘束している。

なおオノゴロ島は警察などの一般的な政府組織にとっては管轄外であり配属もされていない。
日本国政府組織でオノゴロ島内で活動しているのは主に東京湾特異災害調査選抜隊封印機関深部調査団の三つである。

譲原家

『東京湾アイランド構想』の崩壊以来、前当主の弟に当たる現当主が体制を立て直し、かつて程ではないが勢力を回復している。
自らの手で造り出したオノゴロ島だが、現在は管轄が政府に移りその調査や開発の再開はなどは表向きは行えない事となっている。しかし実際は政府の管轄部署との密約によって上陸や私的調査が黙認されている。譲原家は政府と共同でオノゴロ島で起きている異常を調査するべく活動している。
ただし譲原家の一部派閥は必ずしもオノゴロ島の異常を解決しようとはしていない。秘密裏に島内の異常な物質や技術を回収し研究対象としている。そして可能ならばそこにあるモノや、島そのものを再び所有しようと考えているのだ。
『空港』に非公式の拠点を持っている。
島のものに対しては政府側ほど徹底した隔離をせず、比較的寛容である。しかし譲原家の意向にそぐわない存在には容赦がない。

HideandSeek

HideandSeek。それ自体はありふれた一件のBarにすぎない。この名前は、そこに出入りする非日常の側面を持つ者達のコミュニティの代名詞となっている。
彼らはどこにでもいる。同じような店が関東各所に点在し、お互いのやるべきことをやることで成り立つ裏の世界がそこにあるのだ。

彼らがオノゴロ島に抱くイメージは個々様々だ。『興味の対象』、『厄介事のタネ』、『理想郷』、『仕事場』、『悪の根源』、『利益の塊』、『瑣末な物事の一つ』。ただひとつ共通していることは、必要があれば彼らはそこへ向かうことを厭わないことである。

進入手段

オノゴロ島は政府主導で常に監視されています。無断で島内に立ち入ることも、また出て行くことも厳しく禁止されています。人工衛星や海上保安庁の船舶によって監視され、侵入は至難の業です。
オノゴロ島へ至る手段は例として以下のものがあります。

海路・空路

何らかの方法で政府と交渉し、オフィシャルの許可を得ることが最も安全かつ社会的に保証された手段です(交渉難度は高め。元々国のエージェントであるなどのコネが必要)。
政府のエージェントとして行動することになりますので義務や制約が発生します。

もう一つの手段として譲原家との交渉が考えられます。
彼らも島への干渉は表向きには許可されていませんが、その権力と影響力によってオノゴロ島への進入をある程度黙認されています。譲原家との交渉が成功すれば、非公式ではありますが上陸が可能でしょう。
譲原家から何らかの要求がある場合があります。

海底トンネル

港湾地区の地下には、オノゴロ島へ続く地下鉄道を敷設することを目的に掘られた地下トンネルが存在すると言われています。
オノゴロ島の包括的な建設計画においてそれを予定する計画書は存在しましたが、着工前に『東京湾アイランド構想』が崩壊したために実際にトンネルが掘られることはありませんでした。
しかし、オノゴロ島の諸権利が譲原家より分散・移管し再び政府により集約されるまでの空白期間のいずれかのタイミングで譲原家や政府ではない何者かの手によりトンネルの計画書に類似した工事が行われたことが関連する金融・物流の流れから示唆されています。
現在政府と譲原家両者ともトンネルの正確な位置を把握しておらず、実際に存在するのかすら確認できていません。
この海底トンネルをを見つければ極秘裏に島に至ることが可能であると考えられます。
ただし探索には危険が伴うことが予想されます。

テレポート

テレポート能力による島への侵入は比較的容易です(他の異能者に知覚される場合あり)。ただし技能値18未満のテレポート能力は島の力によって妨害されます。また大質量(だいたい乗用車以上)の転送は技能値に関わらず妨害され、実現は困難でしょう。

島について判明していること

  • 海上保安庁の船舶や人工衛星、高技能値エージェントにより厳重に監視されており、通常の手段では立ち入ることも出ることも至難の業。
  • 島内は外側からの見かけ上の面積よりも遥かに広大な空間が存在し、正確な面積は不明。全体が平らなはずの陸地は自然島のように多様な地形・気候に富む。
  • 住人が住まう集落やスラム街の他、存在しないはずの不可解なスポット(謎の摩天楼群や森林、山岳など)が多数確認されている。
  • 強力な異能者や怪異を含む『住人』の存在が確認されている。それが島から発生したのか不法上陸したのかはもはや不明。
  • 異常性の原因は不明。通常の状態に戻す方法は見つかっておらず、事実上島の超常的な力には誰も手出しできない状態となっている。
  • ある種の大規模な認識阻害が働いており、オノゴロ島を強く意識していないものは島の存在を希薄にしか認識できなくなる。
  • 強力なテレポート能力者(技能値18)でなければ島内にテレポートができない。また大質量(乗用車以上のもの)の転送は能力の強力さに関わらず困難。
  • 島外からは島の中の他界を物理的に観測することはできない。
  • 政府が完全にノーマークの島へ続く地下鉄道敷設用地下トンネルが港湾地区に存在すると言う噂がある。

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