「いー・あーるの小説の書き方」の版間の差分
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2014年5月12日 (月) 05:58時点における最新版
前書き
ここでは、一応、『語り部』に於ける小説の書き方、と、させて頂きます。それもついでに、あくまで己の書き方です。
ですので、ここで『〜〜しましょう』というのは、あくまで、『いー・あーるが書いている場合、こやってたら楽だったんだよ、お勧めさ』程度の意味に取ってください。
最初の第一歩
語り部で小説を書くことの醍醐味の一つは、『自分以外の人のキャラクターと一緒に話を作れる』というところじゃないかと思います。合作がしやすいんですな、この方法だと。
但し。この場合、前提条件として次のことがあげられます。
- 相手のキャラが、ある程度『書かれて』いること
- キャラチャなり何なりで、相手のキャラクターとの関係が、ある程度構築されていること
小説にする場合、地の文なり何なりを形容する必要があります。その場合、特に人様のキャラを形容する、その形容が妥当であるかどうかを判断する為に、どうしても『その人が既に書いたキャラの話』がある程度必要なんです。
これは別に小説、エピソードでなくても、キャラチャとかで全く問題無いです。その口調や発言回数、ちょっとした間に挟む言葉、等々、癖を掴めるだけの文章が無い場合、これは小説にするっても、そうそうできるものではないです。自分的に。
これは書く人で色々だと思うのですが、他の人のキャラクターを書くというのは、『一旦自分の色を捨てて、相手の癖をつかんで書く』ということだと思っています。故に、その癖が表われていないまま『一緒に書いて』というのは……まず、不可能です。
最初のうちは、キャラチャなり何なりで、互いのキャラを知り合いにさせましょう。
小説にするのは、それからだと思います。
さて、小説を書くとすると、大きく分けて次の二つの場合があると思います。
- キャラチャが先にあって、それを小説の形に直す場合
- 全くまっさらな状態から、話を起す場合。
ここでは、合作しやすい1の場合を、特に考えてみます。
キャラチャが先にあって、それを小説の形に直す場合
1-1:地の文の為の布石
他の人のキャラクターを登場させたい場合、この方法から行うほうが楽かと思います。なんせ相手の反応等は、既にキャラクターの使い手が書いてくれてるわけですから。
ただ、小説にしようとする場合、キャラチャを行っている最中に、できるだけ心がけると後が楽なことがあります。つまり、『台詞と台詞の間に、できるだけキャラクターの形容を含めておく』ということです
これをやっておくと、例えば相手が小説に起す場合にも、地の文を形容しやすくなります。同じ台詞でも、苦笑しているのか笑っているのか、真面目に言っているのかでは、内容が相当変わることは……これは既知のことかと思いますし。
そしてもう一つ、キャラチャの場合、『いつどこで』を宣言しておくことも、小説に起す場合にはやっておいたほうが良いことかと思います。例えば『この前MLに流れていた話の後』とか、『この前のキャラチャの後』という風に。
前のキャラチャが処理されていないこともありますが、そのような時はキャラクターの回想の形なり何なりで、小説に入れることは可能です。
また同時に、場所も宣言すると楽でしょう。
1-2:視点を決めよう
小説の形にする場合、当然『地の文』が必要になります。この時、誰の目から見た話にするか、を、まず決める必要があります。
一般に、一人称か三人称にするわけですが、この場合、一人称は普通『自分のキャラクター』を使います(というか、相手のキャラクターを使って一人称って……心理的な内奥とか何とか考えると、よっぽど『書ける』確信がないと書けないものです)。
では、一人称と三人称、どちらを選ぶほうが楽でしょうか。
これは己の判断ですが、「あまり動かず、キャラクターの内心を書きたい場合」は一人称、「一見したところで動きが多く、かつ相手の内心もある程度詳しく書きたい場合」は三人称、ではないかと思います。
一人称については、これは問題無いと思います。
しかし、自分のキャラクターの行動を追う場合、実は『そのキャラクターの一人称』は、案外書きにくいものです。
京極夏彦の『狂骨の夢』に、こんなくだりがあります。
……自分が誉められた時に来ている服なんて、自分では憶えていない。憶えているとしたら、それを憧れつつ見ている他人のほうだ……
例えばキャラクターが猫になってしまい、不器用に動いているとします。このキャラクターの動きを本人視点で書くのと第三者の視点から書くのとでは、どちらが楽か。
己的には、後者が楽だなと思うわけです。
1-3:地の文を入れていこう
さて、視点が決まったら、あとは地の文を入れるだけです。
ただし、この時に、キャラクターの台詞の順序を入れ替える場合があります。これもまた、憶えておく自信が無い場合、チャットの途中で『ごめん今の、その台詞より後』のように宣言したほうが良いと思います。
また、これは己の方法ですが、よほどのことが無い限り、相手のキャラクターの台詞は変えません(誤字脱字は別です)。
例えば言葉の端々、言い回し。
そこらに、キャラクターの『色』が最も出ると思うからです。
1-4:地の文の書き方〜いー・あーる的に
まあ、ここらは、ほんとに『感覚』的なもんなんですが。
例えば己が書く場合、『呑みの場』での会話が非常に多いです。この時、会話している互いの目の前には、酒と肴が置いてあります。これを、会話のつなぎの地の文に使うことが多いです。
キャラチャで台詞を書く場合、一人の台詞が幾つにも切れる場合があります。長い台詞が書きにくい、ということもありますが、いわば『行変え』の効果がそこで出ることもあります。このような場合、単純につなぐより、手元の小道具を使って台詞を区切るほうが……己は、好きなんですね。
例えば。
「……でも残念だ」
「本宮さんが女性だったら、あたし心配ないんだけどなあ……」
「それは勘弁してください」
この三つの台詞のうち、最初の二つは同一人物のものです。だから、次のようにしても、問題はありません。
「……でも残念だ。本宮さんが女性だったら、あたし心配ないんだけどなあ……」
「それは勘弁してください」
しかし、最初の台詞と後の台詞を分けたほーが感覚的に合ってるな、と思いましたので、実際はこのようにしてます。
「……でも残念だ」
こちらも茄子を小皿に取りながら。
「本宮さんが女性だったら、あたし心配ないんだけどなあ……」
溜息混じりに言った言葉に、本宮さんはかなりきっぱりと反応した。
「それは勘弁してください」
どれを選ぶかは、やはり書き手の感覚だと思います。
1-5:書いたら点検して貰おう
こうやって小説にする場合、特に三人称にした場合、相手のキャラクターの行動なり心情なりを、間違えている場合もあります。また、台詞の順番を変えた場合、やはり相手の意図するところと異なる場合があります。
さて、その場合どうするか、と言えば。
はい、メーリングリストに流すなりなんなりして、点検して貰いましょう。
それが一番です。
では書いてみよう(って中学生の英語の教科書の問題かっつの)
以上書いてみましたが、これもまた書き手次第。
相手のキャラクターの魅力を引き立てるような文章であること。そして他の人が読んでも面白いこと。
それが……一番じゃないでしょうか。