コローネー
コローネー
北欧の古き吸血鬼。百鬼夜公を始祖とする。氏族名の意味は日本における八咫烏もしくは渡り鴉を意味し、チョココロネではない。北欧フィンランドの一部に自治領を持ち、そこを中心としてスカンディナビア周辺を支配している。教会などとは長年衝突していたが、現在は両者共に静観態勢を維持している。
極めて閉鎖的な氏族であり、(少なくとも現在は)他の土地に侵攻する事も領地の外に出る事もほとんどない。その分他の氏族への対応も冷たく、北欧進出を頑なに拒み現在もその侵入を許していない。吸血鬼の社交の場においても最近まで出席は稀である。以上の理由から北欧のイメージと相まって他の氏族からは概ね『田舎者』と揶揄されている。
しかしながら外来文化や技術に対して排斥的な訳ではなく、氏族の掟に沿って独自に発展を行っている。ある意味では吸血鬼の中では最先端を行っているとも言えるかもしれない。
現代ハイテック対人外兵器開発に貢献している。
氏族の内、真祖使徒は日の光を恐れぬデイウォーカーとして有名。通常の吸血鬼とは異なり、己の出生などが起因する弱点を持つ。中には弱点と呼べるものがない(克服した)個体も存在する。
掟
氏族に伝わる掟。 『我々は王の血族である。王は民を束ねる者。故に彼らが麦の一粒を愛する様に、我らも彼らを愛し敬わねばならない』と言う百鬼夜公の考えから産まれた掟。民とは人間の事。
掟に背いたものは『血の烙印』を烙印される事になる。しかし、一部の掟を除いては百鬼夜公が封印されて以降守ってないものも居る。
代表的な掟
- 血は決まった人間の物しか飲まない。
- 人間は民であり領民である。
- 他の氏族と血を交えてはならない。
氏族の構成
吸血鬼であるのは真姐と、その使徒である真祖使徒のみ。それ以外は眷属として従えられた別の種族、または人間である。
真祖
コローネーの始祖。詳細は百鬼夜公を参照。
真祖使徒
百鬼夜公の血を持つ吸血鬼。『真祖の使徒』と言う意味。全員が日の出・日の入の意味を持つ和名の称号を持っている。アホ程永く生きているため、妙に達観していたり、理不尽な力を持っていたりする。追放されたり滅せられたものも居るため欠番がある。
- 黄昏-タソガレ-
- 第一使徒。名はアンクトゥス。血の神殿。百鬼夜公の最初の真祖使徒。元は古代エジプトの数学者にして王家に仕える神官であり、まだ魔術や数学が細分化されていなかった頃の原初の魔術師。百鬼夜公との付き合いは最も長く、関係も限りなく対等に近い。ハイテク産業会の大物であり、氏族きっての稼ぎ頭でもある。
- 彼者誰-カワタレ-
- 第二使徒。名はメーテール。領域の護り手。黄昏に次ぐ真祖使徒。『狂星』と呼ばれる魔法使い。衛星軌道上に存在する七つの魔術が彼女の手により動く様子が『狂った星の動き』に見える事からそう呼ばれる。地球をグーグルアースよろしくウォッチングしている。氏族の中での母親的存在であり、ご意見番。
- 夕暮-ユウグレ-
- 第四使徒。
- 薄暮-ハクボ-
- 第六使徒。名はクリューソス。黄金の天秤。土から肉を編み出し水から血を創り出す。生命の秘法を持つとまで呼ばれた希代の錬金術師。ここ数百年間研究室に閉じこもっており、彼の生存を確認した者は居ない。ものすごい発明をしているかもしれないが、研究室の隅っこでミイラ化しているかもしれない。
- 黎明-レイメイ-
- 第八使徒。名はアプサラス。太陽に愛されし者。当時吸血鬼の中で最も美しかった女性吸血鬼。しかし、十三世紀頃に掟に背き血の烙印を押され、氏族から追放されている。その後神聖ローマ帝国に隠棲し、現在もドイツあたりで生活しているらしい。なぜか彼女だけは追放されたあとも除名されていない。
- 夕闇-ユウヤミ-
- 第十使徒。
- 東雲-シノノメ-
- 第十一使徒。名はアネモネ。黒死。古アッシリアの狐(もしくはジャッカル)の姿をした疫病神。吸血鬼にも有効な疫病として改造され、十二世紀頃に教会によってバーサーカーとして北欧に送り込まれた。しかし百鬼夜公に屈服させられた後に氏族に入る。なぜか年端いかぬ幼女の姿をしている。おまけに思考回路までが子供であるため度を過ぎてよく叱られている。
- 曙-アケボノ-
- 第十二使徒。
- 暁-アカツキ-
- 第十三使徒。名はダンテ。後述の逢魔時の貴子を除けば最年少の真祖使徒。出生はシチリア半島らしい。容姿は東雲と同じ位の少女だが、非常に無口で立ち振る舞いは大人びている。氏族の中でも謎が多く、良くわからない事が多い。ダンピールであり、コローネーの領地に侵入した他の吸血鬼を狩る役割を持つ。性質上他の真祖使徒とは疎遠になりがちらしい。
- 逢魔時の貴子-オウマガトキ-
- イレギュラー。名はアンディキラス。正確には子ではなく百鬼夜公の分身であり、真祖使徒の中では末っ子に当たる。しかし不完全な分身であるため、正式な真祖使徒とも認められていない。百鬼夜公と同質の力を持ちながら血族最弱という若干不憫な子。
- 白夜と極夜の姫-ビャクヤ-
- 真の一人目。百鬼夜公が唯一『姫』と呼び愛し、コローネー氏族を継ぐ者ととして選ばれた。隠し子のように育てられており、最近まで黄昏すらその存在を知らされていなかった。その特別扱いの反動から一部の血族からは疎んじられている。
外祖使徒
真祖使徒が作り出した吸血鬼。『真祖が外祖に当たる使徒』と言う意味。その次ぎの代以降もそう呼ばれる。百鬼夜公が掟によって『使徒が使徒を作り出す事は認めない』と定めているため存在は許されておらず、生まれた場合はその場で滅せられる。黎明は掟に背き使徒を庇ったため追放された。よって、正式にはコローネーに属さない。
ワイズマン
百鬼夜公が『騎士』として従えた特別な力を持った三名の眷属。それぞれの名前は聖書に登場する東方の三賢者になぞらえられている。百鬼夜公の眷属であるが吸血鬼ではなく、血を分けた真祖使徒ではない。しかし立場も能力の上でも同等かそれ以上の存在である。氏族全体の守護と補佐を旨とし、氏族の間においては基本的に中立である。
- メルキオール-王権-
- 『処刑槍』。火刑と磔刑を象徴とした力を操る武人。白夜の日本での領地を護るために、自らがその外周に作り上げた迷宮結界に住む。
- バルタザール-神性-
- 不明。
- カスパール-死-
- 『永遠の夜の怪物』。永遠の常闇を住処とし、彼が存在する場所こそが常闇である。自分が居る場所が常闇となるその傍迷惑さを理解しているが故に滅多に姿を見せる事はない。
眷属
氏族のトップである百鬼夜公と真祖使徒の眷属となったもの。コローネー氏族においては眷属は吸血鬼を指す言葉ではなく、単に配下に下ったものを指す。
関連地名
- フィンランド
- 欧州の北部に位置する国。北欧諸国では日本に一番近い国。
- ノルウェー
- スウェーデン
- 元々はこちらを拠点としていたが、人間の王に譲った。
- ロシア
関連用語
- 血の烙印
- 血を飲む度に咽が焼けるように痛む吸血鬼にとっては死よりも辛い呪い。
関連組織
- 名前
- 解説
歴史
言及作品
- 作品名
- 解説