里見一族
『里見一族』とは
西洋隠秘学集団里見一族。とかく怪しい物・不吉な物を好み、不吉であることは良いことであるとされている。 ルーツは東欧の魔術結社にある。一人の天災(天才)が離反し身内だけで組織を変革、再構成してこの集団は生まれた。現在では元がわからないほど異質に変容しているため誰もその歴史の全容は把握出来ず、ただ魔術と錬金の知識だけが脈々と受け継がれている。拠点は東京とベルリンにあるが、一族は日本とドイツ、そしてバルカン半島一帯に広く散っている。
里見の化物
里見家に生れた者、そして里見家に成った者は、なんらかの呪物を持つ事になる。正確には里見の呪物を持つものとその縁者を里見一族と呼び、それ以外のあらゆる出自は重要ではない。この呪物は体内に埋め込まれ、第二の心臓、或いは制御のしにくい永久機関となる。里見謹製の呪物は簡易に大いなる魔術や神秘をもたらすが、その代償に文化や思想が歪められていく。このほかにも里見一族の人間は最も特徴的な「真紅の眼」を始めとして、「温点痛覚の麻痺」「勝手に起こる不条理な怪奇現象」「制御出来ぬ神出鬼没」「周囲の空間を他界に引き込むための申請」などの特典を得られることがある。ただし、何かを得れば別の何かを失うのは常だ。
里見一族では、実際のところ血縁関係にあるものはそう多くない。とはいえ、なんらかの理由で一族になった以上は多少のしがらみがでてくる。それは恒例行事(その多くは何が楽しいのか一族以外には理解出来ないような内容)であったり、本家からの依頼であったり、思考のネットワークあったりである。どれも強い意志を持って拒めば拒めないことはないが、あらゆる怪奇を歓喜で迎えるのが里見一族のスタイルである。
以下は里見一族の細かい分類である。組織の性質上上下関係はゆるいが、本家に近しいものほど縛りも特典も大きくなる。
- 本家筋
- 本家の一員。実質の支配者子の子であり娘たるリリスの親族。変人の血を濃く受け継いだため脳を患っている。
- 分家筋
- 他の血を取り込んだ本家筋の女の係累。吹利における比企家が代表。多少血が薄まったところで結局は脳を患っている。
- 被造物
- 無機物や死体より作られた里見のクリーチャー。本家筋や分家筋に仕えていることが多い。大概がやっつけ仕事だからか脳を患っている。
- 外来者
- 後天的に里見の呪物を埋め込まれて一族に入った者。イベントの時以外は元とあまり変わらないような生活を送っている。無理な改造を受けたため脳を患っている。
- 準里見一族
- 呪物こそ埋め込んでいないが、里見一族の血や精、魂を取り込みすぎたために眼が赤くなっていった者。いつもおかしな奴と一緒にいたので残念ながら脳を患っている。
- →里見の足
当主ミンスキー
里見ユキオ・ミンスキー。ただし偽名。錬金術師でありソロモンの魔術師。狡猾、野心家、悪趣味、享楽的と歯止めの効かない性格。他界同士のパワーバランスを変え、死者、人外の領域と物質界を一纏めにした新しいモデル社会を興すなどという馬鹿げた事を本気でやろうとしている。各宗教勢力にとって危うい存在。現在、ミンスキー自身は世界中の他界を巡ってサンプル収集をしている。その足取りは本家ですら掴めていないが、時折ふらりと帰ってきては災厄をばら撒いていく。
里見本家
里見一族の中枢機関。ミンスキー直系の「子の子であり娘たるリリス」と呼ばれる女が代々治めている。リリスとなる女は皆ミンスキーの娘であり妻である。 里見本家では基本的に外の血を受け入れず、また外部に出すこともなく、不老のミンスキーの子だけを代々のリリスが作り続ける制度になっている。 リリス以外の女子は基本的に自由だが、文化の違いから外の男に興味を示すことは少ない。勿論例外はあり、現在のリリスの双子の姉ベアトリスは取り潰した吹利の退魔師「比企家」に嫁入りし里見の分家として吸収している。 一方男子はほとんどが短命。そうでないものは人をやめて好きにやっている。後継者を必要としない制度のため、余程の可能性のある芽以外は敢えて残す必要がないと考えられている。
2005年、一族の収斂と内部分裂
2005年より、本家筋や分家筋の一部で、呪物が崩壊して死ぬという事件が数件起きている。本家はこれをミンスキーの仕掛けた時限爆弾であると発表。本家派と当主派に一族が分裂する事態となる。2006年現在は休戦中。
吹利の里見一族
吹利は里見一族にとっては居心地のいい都市で、また目指すべき一つの目標でもある。基本的に大きな事件は起こさず情報収集に徹している。最有力者は分家の比企。技能値13以下の入門者は魔女比企玉緒が名目上統括している。ただし基本的に放任。
他の組織との関係
里見一族と本宮家
財界、政界などの表舞台に顔の効く本宮と里見の関連性は基本的に薄い。もしも利害関係が発生したらすぐに敵対状態になることは間違いないが今のところそういった事実はない。里見鏡介と本宮和久は何故か深い交友関係を持っている。
里見一族と聖ローリエ騎士団
聖ローリエ騎士団はそもそも里見一族の討伐を目的として発足しているため、当然敵対関係にある。吹利においては騎士団の力が弱いのであまり問題になっていないが、90年代に一度騎士団の暴走により一般市民が死ぬ事態になっている。
里見一族と魔術完全保護協会
邪法、外法問わず扱ってくれる協会とは利害関係がほぼ一致している。協会にとって里見一族はお得意さんである。また、協会としても、里見の成果物は興味深い研究対象であり、一部の原理主義派を除いてはおおむね友好関係を築いている。
里見一族とSRA
人外の相互扶助組織という点で言えば互いに似た性質を持った組織である。だがSRAは里見一族を俗物、外道と内心考えているし、里見一族はSRAを保守的、閉鎖的と認識している。
メンバーリスト
- 比企玉緒:当主派。比企家の長女。吹利における統括官の一人。
- 坂本麻依子:サトミマンション管理人。雑用からちょっとした戦闘までいい様にやらされている。
- ドルード・ルルドー:サトミマンション住人。マンションの保守など細かい業務は大雑把な坂本に代わってやることもある。
- 中・ホワイト:実質玉緒の養女となっている。
- 龍棟青九郎:龍棟医院の一人息子。不老不死のために里見一族に魂を売り渡し、以後多毛の怪人として夜の街を徘徊している。
- サリー:青九郎に憑いた妖精。一族の影響で元々の薬草に関する知識がかなりゆがめられている。
- 比企鐘継:分家筋でありながら里見一族とは距離を置いている探偵。
- 里見喪子:本家派の刺客。
- PaulaPolestarSatomi:ペナンガランと里見一族のハイブリッド……