イスラーム

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イスラーム

 ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフ・イブン=アブドゥルムッタリブが開祖の宗教。クルアーンを教典とする。また、ムハンマドの言葉をまとめたハディースも重要な指針となっている。

 偶像崇拝の排除、ムスリム(信徒。女性はムスリマ)同士の相互扶助などが特徴。

 六信として神、天使、経典、使徒、来世、天命の六つを信ずるように定められ、五行として信仰の告白、礼拝、喜捨、断食、巡礼の行いが定められている。

 生活規範となるシャリーア(イスラーム法)の存在が大きく、また厳密な法体系を成立させる過程で論理学なども発展したことから、政治、社会をも包含する文明体系としても解釈できる。

 シーア派スンナ派、またその分派など様々な宗派が存在する。

用語や人名

シーア派

 ムハンマドのいとこで娘婿のアリーとその子孫のみがイマーム(指導者)としてウンマ(イスラーム社会)を指導できると主張する宗派。イマーム、ひいては優れた導師の指導を重視し、導師による教典解釈も肯定されている(開かれたイジュティハードの門)。

 誰をイマームとするかでシーア派内部でも意見が分かれて分裂することがあり、イスマーイール派、ザイド派、十二イマーム派、ニザール派などがシーア派の分派として認知されている。

スンナ派

 スンニ派とも。イスラームの中では多数派で、シーア派の主張するアリーに先立つ三人のハリーファ(預言者の代理人)も正統と認める宗派。

 ハディースを通じてスンナ(慣行)を解釈して預言者の意思に従おうとしている。クルアーン、スンナ、イジュマー(合意)、キヤー(類推)を四法源として重視しており、ウンマ間でのイジュマーがスンナ派の特徴とされている。

 シャリーアに関するクルアーンとハディースの解釈は禁じられている(閉ざされたイジュティハードの門)。

 分派としてはワッハーブ派など。

クルアーン

 イスラームの聖典。コーランとも。

 日本ではその昔、漢語の「古蘭」として直輸入されたために花の品種と勘違いされたという逸話が示すように、聖書に比べて格段になじみが薄い。「右手にクルアーン、左手に剣」という宣伝文句も、本来作為的に創作され、歴史の事実を歪曲して伝えたものであるが、その事情はあまり知られていない。

 クルアーンは預言者ムハンマド(マホメット)が口述した神の意志を、弟子達がすべて暗記し、暗唱することによって広められた(610〜632年)。この時代、読み書きできる者は少なく、ムハンマドも例に漏れない。ムハンマドの死後、第三代カリフ、ウスマーンの手によって、はじめて書物として正典化される。

参考書籍

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資料リンク

統計から見た日本のイスラーム (日本人ムスリムによるイスラームのホームページ)
日本人ムスリム誕生から約120年、日本国内でもムスリムは急増中だ。2010年4月現在、日本人ムスリム約1万人、在留外国人ムスリム約10万人が日本国内に居住していると推測される。

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